尊さ
火曜日、晴れ。
昨日は祝日だったが午前中は半日出勤。
朝のロッカールームで看護師さんに
「うわ!嬉しい!今日カカさん出勤してくれるんだ、やったー!ラッキー!」
と言われた。
病棟に行ったら夜勤明けの看護師さんが私の顔を見るや両手を合わせて
「えーーー!」
と拝むようにして
「出勤なんですかー!良かった、助かったァ…ありがとう来てくれて…肩の荷が降りたー!」
と言われた。
仕事場に出てくるだけでこんなに喜ばれる人間にいつから私はなったんだろう。
去年は、忘年会で
「一言で言えばカカさんは「尊い」です」
と言われ衝撃で胸と脳が爆発するかと思った。
もう私は成仏していいんじゃないのかと思ったし、実際にその時点で仕事的に私は完璧に成仏したので、これから後の私の仕事人生は、職場の人たちの為に滅私の心で身を粉にして生きていくべきなのではと思う…。
晩ご飯は、サバ缶と大根の生姜煮、野菜とキノコのホワイトシチュー、カボチャサラダ。
片付け祭り
片付けコンサルタントから「現状把握をしたいので、今の息子さんのお部屋の様子の画像をお見せ頂けますか」との依頼あり、カズマに写真を撮るよう連絡した。
「最近掃除したばかりであんまり散らかってないけどそれでもいい?」
と送られてきたのがこの画像。
うん…そう…。
今日は午後休で、ピラティスのパーソナルトレーニングを1時間。ゆっくりと穏やかな動きなのに、身体中の細胞が軋むようにバリバリに引き伸ばされて、雄叫びをあげ続けて、最後には意識が朦朧とした。
体調が悪く早退したしいちゃんと話した。2時間半話した。しいちゃんは熱があって身体中が痛み食事もとれない様子だったが、機嫌はよく、明るく何度も私を笑わせた。
しいちゃんの恋人は少し自罰的な面が私と似ているという話をしたので、なんとなく腑に落ちない気持ちになった。
「私は他罰的ではないのは確かだと思うけど、自罰的でも無いと思うよ。ストレスがかかると被害的な思考にはなるところはあるかもだけど」
と言ったら
「それ被害的な思考と違うから!アナタはまさしく被害者だから!アナタの周りみんな悪魔の毒毒モンスター!」
と言われた。
そう言えば、何十年も前になるが、私の家族歴と悩みを聞いたカウンセラーから
「私はあなたくらい苦労した人を知りません」
と言われて心底びっくりした事があった。今でもその言葉は全く信じられないし、何でそんな言葉をそのカウンセラーが言ったのか理解も出来ない。
でも、20歳の頃、なんでもズバズバ当てるのが評判の霊能者という人と会った時の第一声が
「あなたは随分と抑え込まれて生きてきたのですね…苦しかったでしょう」
で、「へえっ?」となった記憶もある。
「そんなこと思ったこともありませんでした。ずっと私は恵まれて育ったと思ってきました」
と答えたら
「それはそれであなたの良いところですが…ただ、いずれ色々出てきます…」
と言われて
「色々って何だろう…?」
と思ってたら、本当にそれから色々色々だった…。
私は私なりに、生きにくい人生をサバイブしてきたと言えるのかもしれない。
でも不幸だったとは全く思わない。
この事は自分にとってかなり大切な事柄なので丁寧に整理して記したいが、かなり大きなエネルギーが要るので、年内に書くことを目標課題にする。
晩ご飯は、おでんと焼き鯖。
片付けコンサルタント
火曜日、晴れ。
来月のカズマの引越し先の入居にあたり、片付けコンサルタントに入ってもらうことにした。
ゴミ屋敷製造機モンスター、カズマ。
カズマが今住んでいるマンションがとんでもない惨状になっているのは、あまり語ろうとしないカズマの少ない口ぶりからも充分うかがわれる。
カズマが新社会人になるにあたり、プロの手を借りてリバウンドの無い片付けメソッドを入れ込む、整理整頓のしつけに大失敗した母親からのせめてもの餞…ゴミ屋敷人生から脱して生活のクオリティを上げるために金で解決できることは(支払える範囲で)惜しまないようにしようと決意。
今日はその打ち合わせをした。
新居にはルンバもぶち込む所存。
時間が来れば定期的に否応なしに床掃除を始めるルンバがあれば、少なくとも床にモノを置かない、ゴミや散乱物で床が見えない状態からは脱することができるのでは無いかと思ったから。
しいちゃんは
「むーりむりむり無理でーす」
と言った。
「カズマには無駄でーす。ルンバがゴミで身動き取れなくなって終了でーす」
と言った。
くじけない。負けない。がんばる。
晩ご飯は、長芋の甘辛揚げ、きゅうりとわかめと数の子の和え物、アジの開き。
おばあちゃんがまたパンの耳のフライの砂糖まぶしを大量に揚げた。この悪魔のお菓子には勝てない。これがある限りは胸がやけるまで延々と食べ続けるしかすべがない。
薔薇とジャスミンとスミレのショコラ
日曜日、晴れ。
軽井沢のブレストンコートにショコラのデザートコースを食べに行った。
加齢とともに年々チョコレートがしんどくなってきたけれど、ジャスミンや薔薇やスミレなど様々な花や果実をふんだんに使って花束のようなショコラのデザートコースを構成したという話を聞き、物心ついてからずっと、食べられる花に滅法弱い私は、どうしても辛抱たまらなく予約を入れて駆けつけた。
軽井沢の冷気はキーンと澄んだ気持ちの良い寒さで、ブレストンコートのラウンジは暖炉の火がメラメラと燃えていてホカホカに暖かかった。
清潔感と温かみのあるハーブの香りも漂っていた。
一品目はジャスミンとハッサクと金柑とホワイトショコラ
2品目は、薔薇とサワーチェリーとショコラ
3品目はミニャルディーズ10種
夢のような美しさだった。
人間はこれほどまでに美しいお菓子を創り出せるものなのか。
美の暴力…美しさとおいしさで殺されかけた…血糖値的意味でも死にかけた。
晩ご飯は、キャベツと鶏肉と椎茸の玉子炒め、モヤシとニラと人参のタイ風炒め、おばあちゃんがこしらえてくれた恵方巻き。
しんどい。もう当分チョコレートはダメだ…
カブと柚子
土曜日、晴れ。朝は零下8度。寒いのなんのって。息をすると粘膜が痛い。部屋の窓が内側から凍り、カーテンまで凍って窓にへばりつき、無理に開けようとしたら破れそうになった。
午前は出勤。
心地よく忙しく、次から次へと仕事を消化していくと瞬く間に時間が過ぎる。
仕事を仕上げ切ってタイムカード押して職員玄関から外に出ると
「アーーーッ」
という気分になる。
「終わったー!終わったねえー!良く頑張った!ありがとう私、頑張って働いてくれてありがとう!私の為に頑張ってくれて稼いでくれてありがとう!」
という気持ちで、自分で自分を讃える。
こんな風に自分で自分を讃えたり労ったり出来るようになるまでに50年かかった。
晩ご飯は、鱈のかぶら蒸し、厚揚げと青菜とカブのみぞれ煮、白菜のおひたしの柚子和え。
早めにご飯を作りあげることが出来たらホットヨガに行きたいと思っていたけど間に合わなかった。
眠い。
お守りが欲しい。
カズマのゴミ屋敷をなんとかするプロジェクトをすすめなければ。
来月しいちゃんと会う。
しいちゃんと私が会えるのは多分これからあと10回くらいなんじゃないかとしいちゃんが言った。
過食の夜
日記を書こうと思うと眠くなる。
なんの病気だろう。
水曜日の夜にホットヨガをやろうと決意して温泉に行ったら定員オーバーで入れなかった。夜の8時スタートで1時間前から整理券を配布するらしいがその30分前から整理券の為に皆んな並び始めるとのこと。甘かった。がっかり。
しいちゃんに「サイコパス」と「くそみそテクニック」のことで相談したが、どうしようもない返答をくらったのでどうしようもない気持ちになった。
がっかりした気持ちを慰めようと家に帰ってから黙々とご飯を食べたら食べ過ぎた。
その後しいちゃんに送信した。
ホットヨガは来週リベンジする。
今日は午後休みで、ヘッドスパに行った。
チョコレートをお土産に差し上げたらとても喜んでくださり、トリートメントをサービスしてくれた。優しい。最近ますます予約が取れなくなり、もう既に年内の予約が埋まりかけているとのこと…お願いして何とか12月までの月毎の予約枠を確保していただいた。
リラクゼーション系サロンに通うのはお金をドブに捨てる行為だろうなとも思うけれども、捨てても構わないくらい私はこのセラピストさんが好きだ。このセラピストさんは天国の匂いがする。
「推しに課金」この素晴らしいワードを生み出してくれた人に花束を贈りたい。
帰りに3月に行く予定の京都の未在に着ていく服を探しに店を回ったが見つけられなかった。
サンクゼールで、渋皮煮ジャムとサツマイモジャムとコーヒーミルクジャムを買って帰った。
しいちゃんから着信があったのでかけた。
しいちゃんはサイコパスじゃないのは確かだ。ただ、しいちゃんは「純度」が「そこぬけ」に高すぎるあまりに、ある種のサイコパスと見分けがつかない側面が時として輝くという感じだっていう話をした。
しいちゃんは、ゴールデンカムイのイっちゃったひとの瞳、瞳孔がカンペキに開いて真っ黒けの感じみたいなワールドを日常世界で平熱で展開する。
しいちゃんは「出会うものすべて狂わせるガール」だ。学生時代は伝説のサークルクラッシャーだったし、貞操感覚の持たなさときたら妖精のようだ。
そしてしいちゃんの声は低く柔らかく心地良い。
晩ご飯は、銀鱈の粕漬け、蕗味噌、カブの餡かけ煮、フルーツサラダ、紅玉の赤ワイン煮、チャーハン。
朝ヨガ
日曜日、ドカ雪のち晴れ。
10時からヨガをやりに近所の温泉施設に行った。
先日、ピラティスのトレーナーから
「だいぶ身体が良い方向に変わってきてる。あとは運動とかでもう少し全体的に筋力をつけたいですね」
と言われて
「運動…運動ですか…うんどう…」
と途方に暮れた気持ちで呟いたら
「大丈夫、このまま頑張っていけば、そのうち自然に身体を動かしたくなってきます」
と言われ、そうかーと思って、自分の魂のヤル気待ちかー、と、ヤル気湧くのを待機してたら、自宅からすぐの近所の温泉施設で日曜日の朝にヨガ教室をやってる情報に触れて、私のヤル気がちょこっと湧いた。
体験してみたら、温泉のヨガ、思ったよりもずっと楽しかったし良かった。床暖房が温かくて快適だった。1時間があっという間だった。筋力が付く気は全然しないが「身体動かした感」は持てた。
そのまま岩盤浴でダラダラ汗かいて、くつろぎコーナーで備え付けの雑誌読んでゴロゴロしてから、温泉→サウナ→ロウリュ→水風呂→外気浴→温泉→仮眠
ボーッとしながら、こないだしいちゃんに言われたひどい言葉を思い出して
「あれはひどかったな…いつものことだけどひどいわな…しいちゃんはサイコパスなんかな…サイコパスだな…そうだ今度しいちゃんにサイコパスについて話そう、どんな風に話そう…」
とか考えてた。
帰宅は14:30。
楽しかったのでまた来たい。
週に2日は岩盤浴でのホットヨガも夜に開催されるというので、帰宅して猫にご飯あげたらやりに来ようかと考えてる。
晩ご飯は、ガーリックシュリンプとマカロニとブロッコリーとトマトでサラダっぽくした適当なオカズに、鶏皮と大根の炒め物。